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by giacomo_p
| 2007-06-20 07:34
| 瞬間
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by giacomo_p
| 2007-06-19 14:45
| 瞬間
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by giacomo_p
| 2007-06-18 07:02
| 瞬間
『 ギー兄さんよ、(中略)その朝のテン窪大檜の島の眺めを思うのだ。ギー兄さんは草原に横たわっている。いくらか離れて、オセッチャンと妹は草を採んでいる。そしていつのまにか僕もまた、ギー兄さんの脇に寝そべっているし、ヒカリとオユーサンも草採みに加わった様子だ。陽はうららかに楊の新芽の淡い緑を輝かせ、大檜の濃い緑も夜来の雨に新しく洗われて、対岸の山桜の白い花房が揺れている。時はゆっくりとたつ。威厳ある老人があらわれて、何ぞかくとゞまるや、走りて山にゆきて穢を去れ、さらずば神汝等にあらはれたまはじ、とわれわれを叱りつけるので、とるものもとりあえず、急いで大檜の根方に向けて走り登るのだが・・・・・・ 時は循環するようにたち、あらためてギー兄さんと僕とは草原に横たわって、オセッチャンと妹は青草を採んでおり、娘のようなオユーサンと、幼く無垢そのもので、障害がかえって素直な愛らしさを強めるほどだったヒカリが、青草を採む輪に加わる。陽はうららかに楊の新芽の淡い緑を輝かせ、大檜の濃い緑はさらに色濃く、対岸の山桜の白い花房はたえまなく揺れている。威厳ある老人は、再びあらわれて声を発するはずだが、すべては循環するなかの、穏やかで真面目なゲームのようで、急ぎ駆け登ったわれわれは、あらためて大檜の島の青草の上に遊んでいよう・・・・・・ ギー兄さんよ、その懐かしい年のなかの、いつまでも循環する時に生きるわれわれへ向けて、僕は幾通も幾通も、手紙を書く。この手紙に始まり、それがあなたのいなくなった現世で、僕が生の終りまで書きつづけてゆくはずの、これからの仕事となろう。 ―完―』 #
by giacomo_p
| 2007-06-17 21:46
| 季節
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by giacomo_p
| 2007-06-16 22:08
| 瞬間
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